起立性調節障害は、体の機能を調節する自律神経系の病気で、めまい・立ちくらみ・頭痛・思考力の低下などさまざまな症状が起こることがあります。
しかし、夜には元気になることが多いため、「本当に病気なのか」「さぼっているだけではないのか」といった誤解を生むことも多く、症状の辛さに加えて周りからの不理解にも苦しんでいる人が少なくありません。
さらに、起立性調節障害の子どもとその家族が抱える問題は、中学卒業、高校入学などの進路選択という人生の節目に、より大きな障壁となって迫ってきます。
そういった節目にぜひ読んでほしい1冊をご紹介します。
『起立性調節障害の子どもの日常生活サポートブック』です。
彼らが自分に合ったより良い将来設計を描くためにはどんな選択肢があるのか、どういったサポートが必要なのかといったことを具体例を挙げながら紹介し検証しています。
また、学習支援プログラムや「日常活動キャパシティ」のチェックリストの紹介など、起立性調節障害をめぐる情報についても多岐に渡って解説されています。
起立性調節障害といっても、その重症度は人それぞれ違います。
どの程度の生活活動が可能なのか、どういったタイプの進学先が適切かなど、一人ひとりの症状に合わせた選択が何よりも大切であり、保護者の方ができるだけ心の平静さを保つことの重要さを説いています。