自閉症について
自閉症スペクトラム
Autistic Spectrum Disorder:ASD
自閉症スペクトラムは、脳の機能障害であることから先天性のものであると解釈されています。
「自閉」という言葉からイメージされる「自らこころを閉ざしている病気」ではなく、育て方によって後天的になるものでもありません。
特徴となる、①社会的相互交渉の障害、②コミュニケーションの障害、③想像力の障害を特徴とする「三つ組」障害が現れた時、自閉症と診断されます。
①社会的相互交渉の障害
- 目線を合わせようとしない。
- 注意を受けて困っているのに笑ってしまう。
- 同年代の子どもと遊べない。
- 人とほとんど関われない、または積極的に関わり過ぎるなど、人と上手く付き合うことができない。
②コミュニケーションの障害
- 言葉が話せない、もしくは言葉の発達に遅れがある。
- 言葉が話せても、意味が正確にわかっていない。また、場面にあった言葉が出てこない。
- 自分の好きな言葉を繰り返す。
- 話しかけられたことに合った返事ができない。
- 指差し、目配せなど言葉を使わないコミュニケーションの意味がわからない。
- 相手の手を使って何かをさせようとする(クレーン現象)。
③想像力の障害
- 変わった行動をする。例えば、ミニカーを一列に並べたり、タイヤをくるくる回して眺めたりそのおもちゃ本来の遊び方をしない。
- 常同行動(手をヒラヒラさせる、ピョンピョンはねる、ぐるぐる回るなどの行動)を繰り返す。
- 同じ道を通る、同じ順序でするなど、変化を嫌う。
- 標識や数字、アルファベットなどに興味を持ち、カレンダーや時刻表を覚えてしまう。
そのほかの特徴・感覚の異常
- 味覚、嗅覚の異常から偏食となって現れることがある。
- 皮膚の感覚が敏感で、ちょっと触られただけでも痛みを感じる人もいる。
- 特定の音を極端に嫌って耳ふさぎをしてパニックを起こす聴覚過敏があるかと思えば、多くの人の嫌うガラスを引っかくような音が平気だったりもする。
文/木村祥子(プロ家庭教師)