『うちの子は発達障害かも?学習に遅れがある子はどんな学校に行けばよい?』
発達障害の子どもをもつ親にとって、進学先の学校選びは大きな悩みのひとつです。
子どもの将来を考えたとき、どのような基準で学校を選べば良いのでしょうか。
また、子どもが学校へ行くのを拒むようになったとき、親としてどういったサポートをするのが正しいのかもあわせて解説しましょう。
学級や学校の種類
そもそも、一口に学校といってもさまざまな種類が存在するほか、学校のなかにも児童・生徒の特性に合わせた学級が設けられています。
学校および学級にはどのような種類があるのか紹介しましょう。
通常学級(普通級)
通常学級とは普通級ともよばれ、多くの子どもが通学する学級を指します。
通常学級の定員は40名(小学1年生は35名)までが標準となっています。
なお、何らかの理由によって学習についていけない子どもが通常学級にいた場合、授業を補助するための支援員を学校側で配置するなど、合理的配慮がされる場合もあります。
通級指導教室
通級指導教室とは、児童・生徒の籍は通常学級であるものの、決められた教科や時間のみ別の教室で指導を受けられるというものです。
特別支援学級
特別支援学級とは、通常学級とは独立した学級のことです。
通常学級の40名に対し、特別支援学級は8名が標準となっており、児童・生徒一人ひとりの状況に応じたカリキュラムが提供されます。
なお、特別支援学級で受けるカリキュラムは通常学級とは異なり、以下で紹介する特別支援学校と同等の指導要領で授業を進行していきます。
特別支援学校
特別支援学校とは、さまざまな障害がある子どもが通う学校のことです。
通常の学校のように、通常学級と通級指導教室、特別支援学級が混在しておらず、專門知識をもった教員がサポートをしてくれるため安心です。
また、特別支援学校では通常の学校と異なる学習指導要領が存在し、一人ひとりの理解度や学習のペースに合わせて授業を進めていきます。
なお、特別支援学校は誰でも入学できるものではなく、自治体によってさまざまな条件が定められています。
私立と公立のそれぞれのメリット・デメリット
上記の分類以外にも、学校を選ぶ際の選定基準として私立と公立の違いもあります。
発達障害または学習に遅れが見られる子どもを進学させる場合、どちらの学校を選ぶべきなのでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
私立学校のメリット・デメリット
私立学校を選ぶメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
私立学校では独自性のある学習環境やカリキュラムを採用しているところもあります。
たとえば、公立学校は座学が中心ですが、私立学校のなかにはグループワークを積極的に取り入れているところもあり、自分の席で落ち着いて授業を聞くのが苦手な子どもにとって学びやすい環境ともいえます。
デメリット
デメリットとしては、障がいや学習の遅れが見られる子どもに対して、私立学校ではさまざまな配慮が努力義務となっていることです。
公立学校の場合、支援員を増員するなどの配慮は義務とされていますが、私立学校ではそのような配慮をしてくれないケースもあります。
私立学校によっては手厚いサポートをしてくれるところもありますが、公立学校に比べて学費がかかり、経済的負担は増大します。
公立学校のメリット・デメリット
公立学校を選ぶメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
公立学校の場合、障がいや学習の遅れが見られる子どもに対し、個別に配慮することが義務となっています。
専門的な知識をもった教員が授業を行うため、親としては安心して学校に通わせることができるでしょう。
また、私立学校に比べると学費も安価で、経済的負担が少ないことも大きなメリットです。
デメリット
公立学校のデメリットとしては、私立学校のような多様な学習環境が選択できず、一律的なカリキュラムになってしまうことが挙げられます。
学習の遅れが見られる場合は特別支援学級や通級指導教室で学ぶといった選択肢もありますが、そのような学級で学ぶことに抵抗を抱く場合、通常学級に籍をおくことになり、ますます周囲との差を痛感してしまうケースも考えられます。
発達障害の子にとって最適な学校・環境の選び方
発達障害や学習の遅れが見られる子どもの進学先を検討する場合、どのような基準で最適な学校を選ぶべきなのでしょうか。
最適な学習環境を用意するために注意すべきこともあわせて紹介します。
学級や学校を選ぶ時の基準
学校選びで特に重要なのは、子どもが普段どのように過ごしているのかを把握し、それに応じてどういった支援や学習環境を用意する必要があるのかを考えることです。
たとえば、自分の席で長時間落ち着いて過ごすことができず、椅子から立ち上がって周囲を徘徊する癖があったり、突然大きな声を出したりするといった行動が目立つ場合、通常学級に入学すると周囲の児童・生徒に対して迷惑をかけ、授業の妨げになる可能性もあります。
また、それがきっかけでいじめのターゲットとなり、辛い学校生活を送ることも考えられるでしょう。
自宅で過ごしている様子と、幼稚園や保育園、学校とでは行動に違いが見られる場合もあるため、各施設の教員や職員などから話を聞いたり、相談したりすることがおすすめです。
学校・学級の併用は可能?
客観的に見て明らかに発達障害であると認識できる子どももいれば、いわゆるグレーゾーンとよばれる判断が難しい子どもも少なくありません。
特にグレーゾーンの子どもをもつ親の場合、通常の学校に通わせるべきか特別支援学校へ通わせるべきかを悩むこともあるでしょう。
子どもの成長に応じて障がいの程度や学習の理解度に差が出てくることも多いため、在籍学級を途中で変更することも可能です。
また、通常の学校で特別支援学級へ在籍していた場合でも、特別支援学校へ転校するという選択肢もあります。
子どもが学校に行くことを拒むときにできる対策
はじめのうちは楽しそうに学校へ通っていたものの、ある日を境に学校へ行くのを拒むようになったというケースも少なくありません。
その背景にはさまざまな理由が考えられますが、子どもにとって学校が大きなストレスになっていることは間違いありません。
このような場合、無理に学校に行かせようとすると不登校の原因にもなることから、優しく見守ることを心がけましょう。
また、学校に行きたくない理由をしつこく詮索したり、子ども本人に原因があるかのように責め立てたりする行為も厳禁です。
重要なのは、子どもが安心して勉強をできる環境はなにかを考え、それを提供することです。
具体的には、スクールカウンセリングや教育支援センターなどへ相談することはもちろんですが、発達障害専門塾へ通わせてみるといった方法もあります。
>>勉強についていけない、集中できない発達障害の子のためにできること考えてみませんか?
発達障害専門塾でできること
発達障害専門塾とは、その名の通り発達障害または発達障害が疑われるグレーゾーンの子どもを対象に、学習カリキュラムを提供する専門塾のことです。
発達障害専門塾の講師はいずれも専門的な知識をもっており、子ども一人ひとりの状態に合わせた指導を行ってくれます。
通常の学校で悩みがちな対人関係も発達障害専門塾では心配する必要がなく、いじめにあうリスクもありません。
また、発達障害専門塾には生徒一人ひとりにメンターがついており、学習の進め方や私生活の悩みなども気軽に相談できます。
発達障害やグレーゾーンの子どもが不登校に陥ってしまうと、家庭で親が勉強をみなければなりませんが、時間がとれなかったり教え方が分からなかったりして思うように学習が進まないこともあります。
発達障害専門塾であれば、子ども一人ひとりのペースに合わせて学習が進められ、受験対策までサポートしてくれるため安心です。
>>療育とはなに?発達障害のある子どもへの療育効果や内容、療育の施設とその役割を解説
まとめ
発達障害やグレーゾーンの子どもにとって、通常学級での授業のペースは速すぎてついていけないこともあります。
授業内容が分からず周囲から取り残されていると感じると、やがて不登校に陥る可能性もあるでしょう。
そのような事態を招かないようにするためにも、子どもにとって学びやすい学習環境を考え、用意することが重要です。
今回紹介した発達障害専門塾もひとつの選択肢としてぜひ検討してみてはいかがでしょうか。